平成24年 第1回定例会 賛成討論 3月9日

平成24年度中野区一般会計予算についての賛成討論

ただいま上程されました第6号議案、平成24年度中野区一般会計予算について公明党の立場から賛成討論を行います。
平成24年度中野区一般会計予算は1,164億7,800万円で、前年度に比べ51億800万円、4.6%増となり、過去最高であった前年度を更新して最大の予算規模となりました。
これは東日本大震災以後、いや増して高まる危険性に対処するための安全・安心のまちづくりを推進する防災公園の拡張用地の取得や特定緊急輸送道路等の耐震促進、私立保育園への耐震改修補助及び鷺の宮調節池整備などの投資的経費が増額になったことや将来を見越した基金の積立の拡充、特別区債の一部が満期一括償還を迎えること、景気動向を反映して過去最高の増加となっている生活保護費などの扶助費が主な要因と見て取れます。
歳入については、区の基幹収入である特別区税は前年度比3.7%減の285億1,067万円、特別区交付金は前年度比3.2%減の303億円を見込み、合わせて前年度に比べて21億円以上の減収と想定しています。今後も複数年に亘る減収を覚悟しなければならない状況下にあります。
財源である歳入確保については、特別区税や国民健康保険料の収入率の向上と徴収対策に更に努め、国や東京都の補助金の確保を最大限に図ると共に、自主財源確保のための様々な施策展開を図るよう求めます。
区は予算編成において、基準となる一般財源規模を650億円と定めており、この基準の範囲内に歳出抑制を図る一方、歳入ではこの基準を上回る場合には基金に積み立て、下回る場合には基金から繰入れる手法を行うとしています。
しかし平成24年度予算では、この基準を基に歳出抑制のため事業見直しを行いましたが、扶助費や繰出し金の増加により削減効果が上がらず、歳入で不足分を補うことが出来ないため、財政調整基金の年度間調整分を50億5,066万円余繰入れることで新年度としての予算編成を図りました。
今後、更なる厳しい財政運営が予測され、歳入と歳出の不均衡是正のための繰り入れだけでは財政調整基金の枯渇を招く事態になりかねません。
事業見直しについては、区は限られた財源を有効に活用するという観点から74事業の徹底した事業見直しにより平成24年度の財政効果を7億3,600万円計上しましたが、今後さらに推し進める必要性に迫られています。だからこそ、区民生活への影響を最小限に止める努力を一層強く求めると同時に我が会派としても全力で取り組む決意です。
歳出については、景気悪化に後押しされ増え続ける待機児対策のための国家公務員宿舎を活用した家庭福祉員事業や認証保育所の拡充、特別支援教育の拡充、小規模多機能型居宅介護施設等整備、東中野駅前広場整備、消費電力の削減と行政コストの削減のための区内街路灯のLED化などが予算化されたこと、さらには特に強く求めてきた高齢者肺炎球菌ワクチン接種の助成制度がスタートすることとなったこと等、我が会派が要望した事業が実現の運びとなったことを高く評価します。
一方、歳出予算のなかで、南部すこやか福祉センター等整備は債務負担行為として計上されていますが、(仮称)南部地域スポーツクラブ関連の施設整備については、健康づくり・スポーツ推進モデル事業を十分検証したうえで、慎重に取り組まれるよう指摘しておきます。
さらに中野駅周辺地区等の再開発計画にあたっては、計画策定そのものについては一般財源への影響を見極める多角的な検証を強く求めると共に、議会に報告する機会を逸することのないように申し上げておきます。
平成24年度以降も急速な景気の回復は難しいとの予測です。歳入規模に見合う歳出構造へ近づけるための努力をしなければ、持続可能な区政運営から遠ざかるばかりです。しかし区民目線の欠如した事業の見直しだけでは、真に生活を守る行政の役割放棄となりかねません。相反する要求に応えるための賢明な判断を強く望みます。
尚、組替え動議については、示された予算額は根拠に乏しい単なる目安であり、事業内容には致命的な誤りがある、あまりにも稚拙な動議であったと申しあげて賛成討論を終わります。