平成22年 第2回定例会本会議・一般質問 6月29日

施政方針説明について

(1)西武新宿線連続立体交差化事業に伴う沿線まちづくりについて

西武新宿線連続立体交差化事業に伴い地下化される沼袋駅について、現在の立体的に特色ある駅のランドマーク機能を、区として将来的にどのように生かしていく考えか?

地区の特性に応じた駅周辺の魅力化や交通環境の改善等をまちづくり方針とする「西武新宿線沿線まちづくり計画」に基づき、鉄道事業者や地域の皆様へ働きかけながら、まちの玄関口としてふさわしい景観形成が図られるよう誘導したい。

沼袋駅周辺での自転車放置率は21.8%で、約100台の放置自転車が確認されている。今後、駅前広場や駅舎の整備がなされ、利便性が図られることによって、自転車の利用が増加し、放置自転車の増加が懸念される。連続立体交差化事業の地下化により、鉄道の上部空間を活用して、駐輪場として整備すべきと考えるが、どうか?

平成19年8月に策定した中野区自転車利用総合計画の中で、駅周辺の駐輪場の整備については、鉄道事業者にも積極的な協力を求めることとしている。今後、駐輪場の将来的な需要を勘案し、鉄道敷地の活用を含め、適正な位置や規模の検討を行っていく。

現況測量の調査が始まった沼袋商店街通り主幹10号線について、道路を拡幅して都市計画道路として決定されるのか、また、沼袋商店街を基点として、西武新宿線の北側の沼袋地域一帯に地区計画を定める方向で検討されるのか?

「西武新宿線沿線まちづくりにおける基盤施設の整備方針」では、沼袋駅周辺については、バスの相互通行化や歩行者空間の確保など、交通の安全性、利便性の向上を図ることとしている。この方針に基づいて、道路などの基盤施設については、都市計画施設として定め、整備を図ることとしている。

主幹10号線が拡幅され、相互通行化による交通量の増加が予測される中、商店街として安心して買い物ができなくなることが懸念される。区として沼袋商店街の将来像について、どのように考えているのか?

「西武新宿線沿線まちづくりにおける基盤施設の整備方針」では、沼袋駅周辺について、バスの相互通行化や歩行者空間の確保など、交通の安全性、利便性の向上を図ることとしている。この方針に基づいて、道路などの基盤施設について、都市計画施設として定め、整備を図ることとしている。

商店街の方々からすれば、自分の店がどうなっていくのかなど、さまざまな不安を抱えている。そういった実情を考慮すれば、沼袋地区のまちづくりを進めていく上で、住民の方々の合意を図っていかなければならないと考える。その点について、どう考えるか?

まちづくりは、さまざまな方に影響を及ぼすので、地域の皆さんと将来のビジョンを共有しながら、どういう形でまちづくりを進めていくことが最もいい形なのか、十分に話し合いを行いながら、合意形成を図って進めてまいりたい。

商店街通りは交通量も多く、歩行者空間の安全を確保するためにも、まちづくりを進める上で、電線類の地中化を推進すべきと考えるが、どうか?

区としては、都市計画道路の整備に当たっては、電線類の地中化により無電柱化を図ると考えている。

現在、区内で路上喫煙禁止地区が指定されているのは、中野駅周辺のみである。西武新宿線連続立体交差化事業へ向けた沿線まちづくりの一環として、西武新宿線沿線の各駅前を基点として、路上喫煙禁止地区の指定をすべきと考えるが、どうか?

各駅の歩行喫煙防止対策については、区民からさまざまに声が寄せられている。厚生労働省の「公共的な空間における受動喫煙防止」に関する通知や、路上喫煙禁止地区としてきた中野駅周辺地区の検証を踏まえ、総合的に検討していきたい。

(2)介護支援ボランティア制度について

中野区では、ボランティア団体活動等への参加者とサービスを必要としている人たちとを結びつけ、活動を行う区民自身の意欲向上のため、支えあいポイント制度の創設を推進しようとしているが、支えあいポイント制度の仕組みとして、ICカード化を視野に入れながら介護支援ボランティア制度を取り入れるべきと考えるが、どうか?

介護支援ボランティアにつきましては、支えあいポイントの検討の中で取り組めるよう検討してまいりたい。支えあいポイントについては、当初は紙ベースでの導入でスタートするが、将来的にはICカードの導入を検討する。

認知症や知的障害などの理由で判断能力が衰えた人を法律面や生活面で保護する市民後見人には、受け皿となる自治体のサポートが不可欠である。市民後見人の養成講座の進捗状況はどうか?さらに専門的な助言ができる独立した組織の体制づくりが必要と考えるが、どうか?

東京都の基礎講習を活用して、今年度中に2名を養成する予定。社会貢献型後見人の相談の受け皿としては、区の補助事業として、社会福祉協議会のアシストなかので実施している後見監督業務の中で実施する。

後見人が司法書士や弁護士、社会福祉士といった専門職の場合には、申し立て時の手数料に加え、月額3万円から5万円ほどの報酬料が必要となる。区として、低所得者に対して申し立て手数料や報酬料の助成を実施すべきと考えるが、どうか?

区では、平成20年度に区長申し立てによって成年後見人を選定された場合、低所得者に対する後見人報酬の補助制度を整備した。これまで助成した実績はないが、ニーズは増加する傾向にあると思っている。今後、社会情勢など勘案し、事業内容をより利用しやすくなるよう見直しを検討する。

今後の学校再編計画の中で、平成23年4月に丸山小学校と沼袋小学校が統合し、丸山小学校の位置で開校することが決定している。丸山小学校の位置で開校する統合新校は、緑野中学校と近接した場所にあり、定期的な授業交流や教員組織の連携、合同行事などの連携を深めることのできる条件が整っている。丸山小学校の位置で開校する統合新校と緑野中学校を施設分離型連携校の小中一貫教育のモデル校として整備すべきと考えるが、区としての見解如何。

緑野中学校と統合新校に予定されている丸山小学校は、これまでもさまざまな形で連携を行ってきている。また、地域の協力などもあり、今後さらに連携が進むものと期待している。こうしたことを踏まえ、これからの連携教育の発展性について検討する。

(3)その他

自転車の交通安全対策について

自転車の交通事故から頭部を負傷する割合の高い幼児を守るためには、ヘルメットの着用が不可欠であると考える。現在、中野区では、幼児用ヘルメットの着用状況をどのように把握されているのか?また、条例によるヘルメット着用の義務化、幼児用ヘルメット購入に対する助成などを検討すべきではないか?

幼児用ヘルメットは一般的には普及しているものと認識している。ただしヘルメットの保有者のうち、必ずかぶせているのは44.3%だった。区としては、今後も幼児用ヘルメット着用の着実な普及啓発を推進していきたいと考えている。

国交省は、自転車と歩行者が接触する人身事故が増加傾向にあることから、自転車の専用道の整備拡大を図っている。区内には、早稲田通りや新青梅街道のように一定区間に路肩が広くなっている道路がある。その路肩部分に色塗装して、自転車専用道として整備ができるように、都に働きかけをすべきと考えるが、どうか?

現在、東京都においては、区内の自転車専用レーンとしては、山手通りで整備を行っている。早稲田通りや新青梅街道などを含め、中野区内のさらなる自転車専用道の整備は計画化されていないという状況。現状ではこれらの通りへの自転車専用道の整備は困難だと認識している。

子育て支援について

(1)不妊治療について

国は、2004年度より体外受精などの保険が適用されない不妊治療に対して、「特定不妊治療費助成制度」をスタートさせた。これは1回15万円、年2回まで支給され、通算5年利用できる制度。東京都でもこの国の制度に準じて、「特定不妊治療費助成制度」を行っているが、都としての独自制度はない。中野区としても都に対して独自の不妊治療費の助成制度を創設するよう働きかけるとともに、区独自の助成制度、融資制度を行うべきではないか?

今後、補助の対象や範囲、治療方法や内容など、基準を明確にすることが必要。さらに、不妊治療患者の自己負担が多いことから、治療方法や内容などの基準を明確にした上で、医療保険の適用について国に働きかけていきたい。

(2)妊婦健康診査について

近年の不妊治療の進歩により、多胎児妊娠が増加しており、単胎妊娠より妊娠中毒症や合併症の確率が上がるとされ、リスクが高いときには、妊婦健康診査の回数をふやし、慎重に経過を見ることが多いとされている。多胎児の妊婦には妊婦健診受診票を追加して助成の拡充を図るなど、公費助成を強化すべきと考えるが、どうか?

多胎児の出現率や受診状況などを調査しながら、今後の支援のあり方について検討していく。

その他

(1)江古田の森公園のホタルの飼育について

平成20年度よりホタル事業を江古田の森公園で開始し、3年間で自然羽化を目指すとしているが、過去2年間のホタル事業の成果をどのように分析されているか?また、古田老人クラブをはじめとする江古田の森ホタルの会のボランティアの方々の努力もあり、ビオトープとしての環境は少し改善されたように思われるが、本来のホタルの生息の環境を考えれば、区としてさらなる環境整備が必要であると考える。また、3年間での自然羽化にこだわらず、今後もホタル事業を継続していくべきであると考えるが、どうか?

地域のボランティアの活動も活性化して、良好な動きであるが、ヘイケボタルの自然繁殖が確認されていないことが今後の課題であると認識している。ホタルの飼育は特殊なものであるために、専門業者のアドバイスを受けながら、今年度も水路の改修や下草の植えつけなど環境整備を行っている。今後3年間の経過をトータルにとらえて、この事業についてどう評価するか、検討を行っていきたい。

(2)区立北江古田公園のトイレについて

区立北江古田公園は、区民の利用頻度も多い公園です。この公園の北側のトイレは、悪臭がひどく不衛生な上、大便器の利用は日中でも真っ暗で使用できないとの声が上がっています。自然豊かな江古田の森公園が隣接しており、環境衛生的に改善する上からも、多目的トイレなど多機能でだれもが安心して使用できるトイレに全面改修すべきではないか?

区立北江古田公園のトイレの改良については、1987年の公園開園以来、トイレの築年数は既に23年となっている。今後、便器等のリニューアルや屋根の改良など、明るいトイレとなるように検討しているところ。